こんにちは、大家の鈴木です。
今回は、第二種電気工事士 技能試験の勉強のポイントをお伝えしたいと思います。
筆記試験のポイントもありますので、よろしければこちらもどうぞ。
技能試験とは
第二種電気工事士の技能試験は、マークシート方式の筆記試験とは違って、配線図から配線の作業を行う試験です。工作物に欠陥があったら不合格になります。
制限時間は40分ですが、この時間の中で複線図を書いて、ケーブルをカットして、結線してとやることが多いので、時間短縮が重要になってきます。
必要なもの
教材
- ぜんぶ絵で見て覚える第2種電気工事士技能試験すい~っと合格

技能試験の教材はこの1冊だけ購入しました。
「技能試験とは」のところでも書いたように、技能試験では工作物に欠陥があると不合格になってしまうのですが、その欠陥の例が写真付きで解説されていて、全体的に分かりやすく書かれています。
工具
技能試験を受けるにあったっては、工具が必要になります。
圧着工具やペンチ、電工ナイフ、VVFストリッパーなど多くの工具が必要になります。個別にそろえるのは大変ですので、全部セットになったものを購入するといいと思います。

おすすめ工具
わたしが買ってよかったと思ったおすすめの工具です。なくても受験できますが、あると作業が楽になり作業時間短縮になります。
- 滑り止め付き軍手

試験を受ける方は、はじめてケーブルを触ると思いますが、ケーブルって結構硬いんです。そのケーブルを切ったり曲げたりするには、割と力が必要になるので手が痛くなります。
また、出題される問題のによってはVVRが出てくることがあります。電工ナイフを使用することになりますが、電工ナイフってよく切れるんです。試験中にケガをしてしまっては、試験どころではなくなってしまいます。
手の保護になりますので、軍手を使うことをおすすめします。値段は100円前後で、ホームセンターやワークマン、100円ショップでも購入できます。軍手を購入するときは、ケーブルや工具を持った時に滑らないように滑り止め用のゴムが付いているといいです。
軍手を使う時は軍手での作業に慣れるため、練習の時から使用しようするようにしましょう。
- VVFストリッパー(握るタイプ)

ケーブルの外装被覆・芯線被覆両方に対応した、握っただけで被覆を剥くことができる工具です。
電工ペンチのようなストリッパーでは被覆を剥く作業は「握る」→「引っ張る」という2アクションになってしまいますが、「握る」の1アクションで剥けるので、作業時間の短縮することができます。
お値段は1万円近くしますが、試験中被覆を剥く作業はたくさんありますのでかなりの時間短縮になったと思います。
- 手芸用ペンチ
わたしが購入した工具セットにはVVFストリッパーが無く、最初から握るタイプのストリッパーを購入したので、輪づくり用のペンチが必要でした。
わたしの場合、たまたま自宅にあった手芸用のペンチを使いましたが、もし握るタイプのVVFストリッパーだけを試験に持っていく場合は、ペンチが必要になりますのでご注意ください。
- 合格マルチツール

HOZANという会社から出ている「合格マルチツール」という工具なのですが、スイッチを連用取付枠に取り付けるときや、ゴムブッシングの穴あけ、絶縁ブッシングの取付など、一つでいろいろ使える工具です。
わたしが個人的に気に入っているのは、コンセントやスイッチからケーブルを抜くときに、外し穴に刺したままにできるところです。
マイナスドライバーでケーブルを抜くとき、外し穴に刺したマイナスドライバーが押し戻されてしまいます。片手でマイナスドライバーを押し込み、もう片方の手でケーブルを抜くのですが、少々やりにくい。
この工具は刺しこむと押し戻されないので、外し穴に刺したままにして、ケーブルを引き抜くことができます。
試験で使ったというより、資格を取った後、スイッチやコンセントの交換のときによく使っています。
- 合格クリップ

配線を圧着前に仮止めしておくためのクリップです。
わたしの性格からして、ごちゃごちゃして分からなくなると焦ってしまい、ミスすると思ったので購入しました。ダブルクリップを使用しているかたもいらっしゃるようです。配線したらクリップの取り外し忘れにご注意ください。
amazonのレビューを見ると、試験官から使用不可と言われたと書いている方もいらっしゃるようです。わたしは言われませんでしたが、クリップを使わないやり方も練習しておくといいかもしれません。
- 合格配線チェッカー(試験持ち込み不可)

公表問題を練習し終わったとき、本当にできているのか確認したくなりませんか?わたしは確認したくなりました。
これは、公表問題を作成した後、正しく作られているか確認できるものです。(別途電池が必要)
正しく配線されているとLEDが点灯するのですが、自分で作ったものが正しいと分かり、うれしくて何度もスイッチをカチカチしてLEDを点灯してしまいました。
試験本番では使用できませんのでご注意ください。
技能試験練習用材料

公表問題を練習するのに必要な材料です。わたしは公表問題13問を1回づつ練習できるセットを購入しましたが、足りないと思ったら追加で電線だけのセットも売ってます。
勉強のポイント
わたしが技能試験を勉強しているとき、重要と感じたポイントは次の4つです。
- 複線図は正確に早く書けるようにする
- 公表問題は少なくても一周はすること
- 時間がないときは単位作業
- 何度も練習して微調整する
複線図は正確に早く書けるようにする
試験が始まったらまず、出題された問題から複線図を書くことから始ります。その書いた複線図を見ながら作ります。もし、複線図が間違っていたら間違った配線になってしまいますし、途中で気が付いても取り返しがつかなかったり、間に合わなかったりする可能性があります。
そんなことにならないよう、自信を持って正確に、そしてすばやく複線図が書けるように練習しましょう。
複線図をすばやく正確に書くことは、時間短縮につながります!
公表問題を作る時間がなくても、複線図を書く練習はたくさんしましょう。
公表問題は少なくても一周はすること
わたしの公表問題の練習は一周だけしました。最初から時間を測って作業してみましたが、要領がわからないので、制限時間をオーバーしていました。
単位作業を練習したり、公表問題②、③と進んでいくにつれて要領を覚え、公表問題④をやるころには制限時間に間に合うくらいになっていました。
試験では13個ある公表問題のうちの1つが出題されます。一度でも作ったことがあるというのは安心や自信になりますので、公表問題はどれも一度は解いてみましょう。
時間がないときは単位作業
公表問題を本番と想定して練習しようとすると、準備と片付けを入れて1時間ちょっとはかかります。
今日は練習したいけど、少ししか時間が取れないという時もあると思います。そんなときは、輪づくりだけとか、スイッチの結線だけとか、部分的なところの作業(単位作業)をやることをおすすめします。
わたしが一番練習したのは輪づくりです。何度やってもどこかうまくいかないところがあったりしたので、納得がいくやり方を見つけるまで、繰り返し練習しました。
輪づくりはどの問題でも必ず出ますので、完璧にできるようにしてください。
何度も練習して微調整する
慣れてくると、制限時間に間に合うようになりますが、見直してみると欠陥になりそうな怪しい箇所が見えてくるかと思います。
ちょっと芯線出すぎてるかな?や、輪づくりしてケーブルをネジで固定したけど、ランプレセプタクルのカバーが閉まらないとか。もし怪しい箇所や自信のない箇所があったら練習して微調整していきましょう。
小技(おまけ)
最後にわたしが使った時間短縮の小技を紹介します。
机にスケールを貼る
ご存じかもしれませんが、工具セットに含まれているスケールを机に貼って作業すると長さを測るのが楽です。さらに、わたしは時間を短縮するために、あらかじめ自宅でスケールの端にマスキングテープを貼っておきました。
試験では、マスキングテープを切って貼るという動作をせず、そのまま机に貼るだけなので少し時間を短縮することができました。
VVFストリッパーにメモリを書く

先にご紹介した握るタイプのVVFストリッパーにはスケールが付いていません。ですので、工具に油性ペンでメモリを書いてしまいました。そうすると、左手にケーブル、右手にVVFストリッパーを握ったまま長さを測って被覆を剝くことができます。
これにより、机に貼ったスケールに当てて測るという動作がなくなるので、若干の時間短縮になります。
試験当日
ここまで読んでいただきましてありがとうございます。偉そうなことを書きましたが、実際試験の当日はどうだったのか。
実は、試験中にケーブルの長さを間違えて短く切ってしまうというミスを起こしました。ジョイントボックス内の接続部分の長さ10cmを完全に忘れてしまい、10cm短く切ってしまったのです。
ケーブルの長さは施工条件の50%以内なら欠陥にならないのですが、なるべく完璧に作ろうと思っていたので焦りました。でも、試験前にこう言い聞かせていました。
「何があっても慌てない」
その言葉を思い出し、短く切ってしまったケーブルは別の場所に使うようにして対応しました。
試験中は何があるかわかりません。緊張でミスをすることもあります。慌てず、平常心で作業することがとても大切です。
まとめ
技能試験では、作業時間の短縮がとても重要です。何度も練習して怪しいところはなくして、自信をもって試験に臨みたいですね。
それでは最後に、
- 複線図はすばやく正確に書く
- 練習と工具で時間短縮
- 試験中は、何があっても慌てない
試験のときは、平常心で行きましょう!