物件に車が突っ込んできた話

修繕

こんにちは、大家の鈴木です。

ある日、わたしの物件に車が衝突しました。どんな状況だったか、当時を思い出しながら書いていきます。

掲載できる写真が少ないので、文字が多くなってしまうことをご了承ください。

車が衝突!

ある雨の日の夕方、蛍光灯のチェックをするために物件に行きました。

いつものように物件まで向かうと、物件周りにパトカーが何台停まっていて騒がしい状態でした。

物件からすこし離れた位置から、車道でお巡りさんが交通整理をしているのが見えます。

追突事故でもあったかな?と思っていましたが、物件の方まで近づいていくとそうではないことがわかります。

わたしの物件のエントランス前で車がひっくり返っているのでした。

物件のエントランス前に車がひっくり返っていました

現場の様子

車は物件前の歩道をふさぐようにひっくり返っていました。周辺には衝突した車のものであろうガラス片や部品が散乱していました。

散乱した車の部品

それを取り囲むようにして、通行人や入居者の方が警察や救急隊の対応を見守っています。

物件前にひっくり返っていたのは軽自動車で、中を見ると人は乗っていない状態でしたが、近くに頭から血を流したまま座り込んでいる方がいました。

その方は60代から70代くらいの方で、救急隊の方の「大丈夫ですか?」の問いかけに「大丈夫です」と答えており、意識はある様子。

事故現場では警察官の方や救急隊の方が一生懸命対応されていたので、邪魔してはいけないと思ってしばらくの間様子を見ることにしました。

入居者さんの話

様子を見ていた入居者さんに事故当時のことをうかがってみました。

入居者さん
入居者さん

部屋で仕事をしていたら、大きな風船が割れるような音がして建物が揺れた。

この物件はRC(鉄筋コンクリート造)の建物。頑丈な建物でも「揺れた」というお話を聞くと、衝突の衝撃はすごいものだったんだと思います。

当日、現場でやったこと

名刺を渡す

ケガをされた運転手さんが救急車で運ばれ、ひっくり返った車がレッカーで運ばれてすこし現場の落ち着いた頃、掃除をしてくれていた警察の方に名刺を渡しました。

大家の鈴木
大家の鈴木

オーナーです。何かあったら名刺の連絡先にご連絡ください。

ありがとうございます。後日、警察署から連絡します。

被害状況の確認

建物の破損個所を確認しました。

事故現場は建物のエントランスで、外壁や花壇にダメージはあるものの、幸いにもガラス張りの部分にはダメージがありませんでした。

すこしズレていればガラスを突き破り、建物内部に車が侵入してもっと被害が大きくなっていた可能性がありました。

車がひっくり返っていたすぐ近くには外階段があります。

驚いたのは、螺旋状になった階段の1階と2階の間の外壁、車のタイヤが地面に接地している状態では絶対に届かないような位置に傷があったことです。

この謎は、防犯カメラの映像を確認することで解けました。

防犯カメラの映像の確認

建物に設置している防犯カメラの映像を確認したところ、衝突してきた車の動きがよくわかりました。

物件前の道路の向かい側の路地を出て曲がろうとした車は、曲がらず猛スピードで中央分離帯に衝突しました。中央分離帯には金属製の柵があります。金属製の柵にぶつかると、運転席が地面を向いた逆立ちした状態になります。

逆立ちした車はほとんど勢いを失わず、逆立ちのまま建物に衝突していました。

建物に衝突した車は上下逆さまの状態で止まり、運転手の方が駆け寄った通行人の方に救出されていました。

衝突
事後の詳細

衝突したとき車の逆立ちしている状態だったため、車の屋根の部分が外壁の高い位置に接触していたことがわかりました。

事故が発生したのは夕方。お仕事から帰宅される方が多い時間帯でしたので割と人通りも多く、車が衝突する1分ほど前は入居者さんが出入りする姿や、通行人が行き来する姿も映っていました。

事故の映像を見て思ったのは、暴走した車がもし後ろから迫ってきたら・・・絶対避けられない。そのくらい、驚くほどのスピードでした。

事故が数分、数秒ズレていたら通行人や入居者さんが巻き込まれていたかもしれませんし、蛍光灯を交換するときに頻繁に通る場所でしたので、わたし自身も被害にあっていたかもしれないと思うと、この映像を見てゾッとしました。

掃除

自動車のガラスは割れると細かく砕けます。細かく砕けたガラスが大量に散らばっていました。

警察の方がお掃除をしてくれてもなお、扉の隙間から建物の中に入ったものや花壇の中にも破片が残っていたので、人が行き来する場所くらいはきれいにしようと思い、わたし自身でも掃除をしてその日は帰りました。

翌日以降

現場の撮影

事故当日も破損個所を撮影しましたが、夜でしたので見落としがあるかもしれないと思い、翌日の明るいうちにもう一度現場を撮影しました。

明るいと破損個所の大きさもよくわかりますし、暗くて見落としていた部分も見えますので、外が明るいときにもう一度確認して方がいいと感じました。

防犯カメラ映像の保存

防犯カメラの録画機能は記憶装置の容量の関係で、保存期間を過ぎると古い映像から上書きされることがあります。

また警察や保険会社からも確認の依頼が来るかもしれないと思い、事故が記録されている部分の映像のバックアップを保存しました。

事故を起こした方からの連絡

事故を起こしてしまった方から謝罪のご連絡をいただきました。

電話に出たのは、わたしの母でした。

事故のあと救急車で病院へ向かい診察を受けたところ、大きな怪我ではなくすぐにご自宅に帰ることができたそうです。

アクセルとブレーキを踏み間違えてしまったことが原因。高齢になってきたので、免許を返納されるとおっしゃっていました。

事故が発生したことは大変驚きましたが、命に関わるような大きな怪我ではなく、また巻き込まれた方もいなかったので、お互い本当に幸運でしたねというお話をしたそうです。

警察からの連絡

事故当日警察の方に名刺を渡していたので、警察から連絡が来ました。

渡していた名刺の情報を、相手の方が入っている保険会社に伝えてもよいかの確認でした。

保険会社からの連絡

相手の方が加入している保険会社から連絡がありました。

工事業者に連絡先を伝えてよいかという確認を了承すると、後日工事業者から現場確認の日程調整の連絡が来るとのことでした。

この時、保険会社名担当者名電話番号をメモしておきました。

加入している火災保険の代理店へ連絡

物件が加入している火災保険の代理店へ連絡しました。

見舞金が支払われますので、相手の保険会社の連絡先担当者名を控えて、後で教えてくださいとのことでした。

工事会社からの連絡

相手の保険会社が手配した工事会社から連絡が来ました。

現場を確認する日程をわたしが立ち会える日で調整しました。

工事会社による現場確認

工事業者と物件で待ち合わせし、わたし立会いの下、破損した部分を確認しました。

破損したのは外壁と花壇に生えていた植栽。

外壁はタイル張りなので破損があった枚数を数えました。

わたしの物件の場合、物件を建てたときに余ったタイルを保管していたので、修理に必要な枚数を工事会社が買い取るということになりました。

もし予備のタイルが無い場合は、同じか似た感じのタイルを工事会社が準備して修理するそうです。

植栽の方は、植えていた木が1本折れていました。

事故の数日前、植栽の剪定を終えたばかりでした。このことを伝えると、折れてしまった木の剪定費用を出していただけるということでしたので、剪定を依頼した植木屋さんに連絡をとることにしました。

なお、折れた木は植え替えることになり、保険会社から植木屋さんを手配していただけることになりました。

植木屋さんに連絡

わたしの物件では年に1回、植栽の剪定を植木屋さんにお願いしています。その植栽剪定を事故の数日前に終わったばかりでした。

保険会社に伝えると折れてしまった木の剪定費用を出していただけるとのことでしたので、剪定をお願いした植木屋さんに連絡を取り、折れてしまった木1本分の剪定費用を出していただき、保険会社に伝えました。

工事開始

工事会社との現場確認をしてから2か月くらいが過ぎたころに工事が始まりました。

まずは、破損したタイルの修理からはじまりました。

破損したタイルは平らな部分と角の部分がありましたが、予備として持っていたタイルに同じ形がないものもありました。同じ形の予備がないタイルは、平らなタイルを加工して作成するとのことで工事前に何枚か渡していました。

外壁修理が終わると今度は、折れてしまった木の植え替えが始まりました。

外壁修理も木の植え替えの作業も、どちらも丁寧に対応していただいたのを覚えています。直したところがわからないくらいに元通りになっていて安心しました。

保険会社へ連絡

修理の工事が終わったあと、物件が加入している火災保険の代理店へ連絡を入れ、控えていた相手の方の保険会社名担当者名電話番号を伝えると、後日、保険会社から工事費用の何割かが見舞金として振り込まれていました。

おわりに

事故にあったことは不運でしたが、建物の被害もさほど大きくなかったり、手続きがスムーズだったり、しっかり直していただけたりと運がよかったのではないかと思います。

特に死者が出なかったというのが何よりの幸運でした。

こういった事故は本当にいつ起こるかわからないですし、実際に自分の身にも降り掛かってくることがあるんだと実感しました。

最後にわたしが大事だなと思ったことをまとめておきます。

  • 写真を撮っておくこと
  • 明るい時間帯にも破損個所を撮影しておくこと
  • 相手の保険会社名、保険会社の電話番号、担当者を控えておくこと
  • 防犯カメラの映像はバックアップを保存しておくこと
  • 工事会社との破損箇所の確認は立ち会いが必要

今回の事故の対応で、警察や保険会社から防犯カメラに記録されていた事故の映像の提出を求められることはありませんでした。

しかし、たまたま無かっただけかもしれません。もし防犯カメラを設置されているのであれば、映像のバックアップを取っておくことをおすすめします。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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